「都議会にて一般質問」
2017年3月2日 2回目の一般質問
私が都議会議員とさせていただいて半年余り、多少慣れてきたとは思いますが、いまだしきたりなど、違和感を感じております。
今、昨年までの13年間、区議会議員として、改革を積み重ねる毎日であったことを思い出します。真の保守とは改革の積み重ねであり、変革しないということは、退歩であると政治の師に教えていただいたからであります。
今議会において、全議員提出の改革案がだされました。議員報酬の削減や費用弁償の廃止などで、議員自らの手で改革を進めていく事はたいへん重要なものと考えます。
区市町村議会でも、「費用弁償の廃止」「政務活動費の見直し」など、それぞれが改革を進めています。また議会の見える化の観点から議会運営委員会をはじめとする全ての委員会をユーストリームを活用して、インターネット生中継を実施するなどの取り組みを進めている自治体もあります。より審議を深めることが可能になる工夫も、行政、議会が一体となって改革を進めているとも伺います。
今回質問の機会をいただき、知事が目指す「東京大改革」についてお尋ねさせていただこうと考えておりましたが、「知事施政方針表明」を伺い、私なりに理解を深めることができました。
議員の役割の中に、都民の皆さんの代弁者である一方、行政の様々な施策や考えも都民の皆さんに広くお伝えしていく事も重要であると考えます。街を歩いていると都民の皆さんから「東京大改革」とは何かとお尋ねをいただきます。情報開示を進め、都政の透明化を図っていくものとお話しても、中々、理解をいただくことがかないません。
そこで、表現力をお持ちの知事に伺います。「東京大改革」とは、いかなるものか、端的に、都民のお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんなど、皆さんにわかりやすい言葉でお披歴いただきたいと思います。
知事答弁(Q1)総務局
次に、あえて、流行りの言葉を使わずに、いわゆる「一般住宅を旅行者等に宿泊させる行為」について伺います。
宿泊料を受けて、反復、継続して人を宿泊させる営業は、「旅館業」に該当し、保健所長の許可を受ける必要があります。しかしながらこの旅館業の許可を得ずに宿泊サービスが行われており現在、都でも都心区を中心に大きな社会問題になっております。
保健所に対し、「旅行者風の外国人などが多数、出入りしている」「ゴミの出し方が守られない」「夜間の騒音がひどい」などの苦情や相談が急増している区もあると聞いております。突然、隣の家やマンションなどの部屋にこのような人々が押し寄せ、生活環境が悪化してしまったら、都民はどんなに不安な気持ちを抱くことでしょうか、都民の生活を守る行政の喫緊の課題であります。
国では現在、法制化の動きがあり、今国会にて、新法(仮称)住宅宿泊事業法案が提出させる見込みと伺いました。
これらの動きを踏まえ、特別区では、区長会において、本年1月10日と11日に内閣府特命担当大臣・国土交通大臣・厚生労働大臣に対して、法制度化にあたっては、自治体が条例制定など、地域独自のルールと体制の構築が可能となるよう求める要請文が提出されています。そして2月3日には国土交通大臣に対して、①特別区長に都道府県同様に、住宅宿泊事業者に関する権限を与えること、②特別区が地域の実情に応じて日数や住居専用地域等に関する条例を制定できるようにすることなどの要請文が提出されました。
国では法制化が着々と進められていますが、旅館業法の許可を受ける場合、設置できる場所に一定の制限が課せられています。許可を得ずに規制の外で宿泊行為を行っている施設の多くは、閑静な住宅街や、住民が多く暮らす地域などでも行われており、そのため都民への影響も大きなものになっております。このような施設が、街中に増加していることに危機感を募らせている特別区の窮状を踏まえ、都としても無許可施設への対応について特別区と連携して対応をしていかなくてはならないものと考えますが、東京都としてのお考えを伺います。
どうか、都民の不安な気持ちをお汲み取りいただき、都民ファーストを掲げる小池都知事の本領を発揮して、都民の安心・安全、良好な生活環境確保のために、さらに、旅行者の衛生環境も考え、迅速な対応をしていただきたいと思います。
観光バスにまつわる問題は、ここ数年、外国人観光客が増えてくるとともに社会問題となっております。一昨年は流行語の「爆買い」とともに、秋葉原や銀座、新宿、そして私の地元の台東区、浅草の地域に観光バスが押し寄せ路上駐車による大渋滞をまねいております。特に混雑が著しい浅草では、近隣に小学校もあり、子供たちへの安全対策が地域住民から強く求められています。
このような状況の中、昨年は訪日外国人観光客が2400万人を超え、国は2020年までに4000万人という新たな目標を掲げ、これを受け東京都も2020年には2500万人としております。
観光バスの受け入れ環境を整えることは急務であります。
都庁前の通りや、銀座、秋葉原などには公道上で待機する観光バスをよく見かけますが、観光バスの駐車場は足りていないように見受けられます。
また、2020年東京大会まであと三年余りです。新たな駐車場を整備するには時間がありません。そこで、国や東京都が管理する未利用地の活用や東京都の施設に設置されている、観光バス駐車場の一般開放を進めてはいかがでしょうか。例えば、墨田区にある「江戸東京博物館」の駐車場は366台の収容が可能ですが、事前予約の見学者用に限られているため空きが目立っております。もちろん見学者の予約スペースは重要ですから、しっかりその分は確保し、その他のスペースは当日利用で一般の観光バスに開放してはいかがでしょうか。一例を申し上げましたが、東京都全体で考えた場合、このような既存ストックというか、既存在庫の有効活用は観光バスの駐車対策として大きな効果を生むものと思われますので、ぜひ前向きにご検討いただきたいと思います。
ところで、新宿では「歌舞伎町観光バス駐車場」を銀座では、本年4月に観光バスの乗降場所のオープンが予定されています。地元の台東区でも更なる観光バス駐車場の整備を検討していくと聞いております。
このように各地域、各自治体では懸命に、個々に対策を進めているところですが、「観光バスの駐車対策」は広域的な視点で取り組むべき課題であると考えております。
そこで、今後、各自治体が観光バスの駐車対策を円滑に進めることができるように、東京都として積極的に支援を行うべきと考えますがいかがでしょうか。ご見解を伺います。
東京都が管理する上野恩賜公園は、東京国立博物館、上野動物園、東京都美術館、そして東京藝術大学など、多くの文化、芸術施設が集積し、日本を代表する観光地の一つとなっております。
昨年7月には国立西洋美術館が、東京で初めての世界文化遺産に登録され、上野公園には、連日、内外の観光客がたくさん訪れています。さらに、上野の山で有名なカップル、パンダのシンシン・リーリーからうれしい報告も、まもなくあるものと期待しております。
こうした上野公園の魅力をいかすべく、地元の台東区をはじめ、文化施設や関係事業者などが連携して、「上野の山文化ゾーン連絡協議会」を立ち上げ、様々な事業を展開し、さらなる活性化に取り組んでおります。
また、文化庁や東京都などの関係機関が協議を重ね、平成25年12月に「上野文化の杜新構想」が発表されました。
本年1月に開催された、連絡会議には、宮田文化庁長官、田村観光庁長官、そして菅官房長官の三長官が揃って出席され、上野「文化の杜」新構想への期待感が強く感じられました。菅官房長官からは、「文化の杜上野を、世界的な文化・芸術の拠点として形成し、世界から観光客を惹きつける施設になるように期待する」と発言をいただきました。
こうした状況の中、観光客の受け入れに当たり、様々な課題も見えてまいりました。
その一つは、昨年、第三回定例会において質問させていただいた、「JR上野駅公園口再整備」ですが、これはおかげさまで、関係機関一体となって着々と進んでいるようであります。
その上で、2020年東京大会を見据え、上野の山にある文化資源をさらに有効活用し、上野が、国際的シンボルとなるような積極的な取り組みが必要と考えております。
そこで、上野公園再整備に合わせて、東京都美術館での夜間利用延長とともに、都立文化施設へのライトアップなどを進めて、他の施設とも協力しながら夜間でも安全で、かつ魅力ある環境づくりを進めるべきと考えますがいかがでしょうか。
そして、上野公園に訪れた観光客への情報発信につきましては、すでに公園内に案内板やデジタルサイネージが設置されており、また京成上野構内に小規模ですが、都の観光案内があることは承知しておりますが、一番乗降客が多いとされるJR上野駅公園口を含めた公園整備に合わせて、東京都の拠点としてふさわしい総合的な観光案内センターを整備すべきと考えますがいかがでしょうか。
併せて、昨年、提案させていただいた、上野公園Wi-Fi網整備の推進も改めてお願いいたしておきます。
日本を訪れる外国人観光客からは、きれいな空気、きれいな水などの環境の良さや、夜間でも安心な治安の良さに高い評価をいただいております。また、障がい者や高齢者のバリアフリーへの配慮も大切です。しっかりその点は維持、発展させていかなければならないものと考えます。
その反面、地震災害など自然災害に対する恐怖を口にされる方々もおられます。万一の際、滞在先である宿泊施設において、外国人旅行者に対する、情報発信など対応策は十分に備えられているのでしょうか、誘客も大変重要な課題ですが、旅行で宿泊されたお客様の安全・安心を守る体制作りは重要な視点であると考えます。都としてのお考えを伺います。
観光施設の一つとして、MICE戦略があります。その一環として、歴史的な建造物や文化施設などを会議後のレセプション会場等として活用する取り組みユニークベニューは大変すばらしいものと評価いたしております。まずは、8つの都立施設をユニークベニューとして活用できるようにしていくとのことですが、どのような取り組みをすすめていくのか、具体的にお示しください。
また、都立以外の民間や区市町村立の施設についても利用を進め、東京全体にユニークベニューを広げていくお考えはいかがでしょうか、東京中の施設が活発に活用されていくものと考えますがご答弁ください。
また、MICEではありませんが、昨年二日間の日程で都立貿易センター台東館を中心に近隣の民間施設なども活用して大きな国内会議が開催され、たくさんの来場者がお越しになりました。二回開催され、一万人を超える参加者をお迎えすることができました。
国際会議にとらわれず、国内の大きな会議を誘致していく事は、たいへん意味深いものと考えますがいかがでしょうか。
2020年東京大会を目指し、さらなる賑わいをもたらる施策を継ぎ目なく繰り出していく事は、その先も見据えた東京の躍進につながるものと考えます。
この議場にいる行政、議員、全ての皆さんの「坂の上の雲」は都民福祉の向上、都民、お一人お一人幸せだと思っています。ただ、十人十色、その手法が、向かい方が、微妙に異なっているだけであるものと考えますが、議論を深め、皆さんと心を合わせ、その「坂の上の雲」を目指していきたいと強く考えます。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。